最初の一歩はラッピングをとることから
お祝い事や法事で胡蝶蘭をもらうと、綺麗にラッピングされて届けられますが、まず一番初めにすることは、鉢のラッピングを全て外すことです。 せっかく綺麗にラッピングしてあってもったいないのですが、鉢がラッピングのセロファンに覆われているとすぐに根が蒸れてしまいます。鉢にラッピングのある状態は人間でいうとコルセットをしてドレスを着ている状態に近いので、胡蝶蘭にとっては窮屈で暑苦しいのです。セレモニーなどが終わったら、すぐにラッピングを外して風通しの良い場所においてあげましょう。 直射日光を避けた明るい場所 注意したいのは胡蝶蘭を置く場所です。風通しのよい場所と書きましたが、直射日光の当たる場所は胡蝶蘭が火傷してしまうので絶対に避けなければなりません。レースカーテンを挟んで直射日光を遮り、(カーテンが風邪でそよいで当た流場所は避けてください。カーテンが当たって葉が傷つくと、そこから病気になる可能性もあります。)明るいところにおいてください。
胡蝶蘭は熱帯地方がルーツですから、寒さにはとても敏感です。冬場に30分程度外に出しておくだけでも花が痛んだり、枯れてしまったりします。15℃〜27℃の間が胡蝶蘭にとって快適な温度です。実は、胡蝶蘭の配送の際にも温度管理は徹底しています。花を痛めず、お客様のもとに最高の状態で届けるべく、細心の注意を払っているのです。 また、乾燥も胡蝶蘭の大敵です。そのため、特に冬場は霧吹きで葉に水を吹きかける「葉水」を行ってケアしてあげましょう。霧吹きに使うお水は30℃くらいのぬるま湯で、冷水を避けてください。葉の裏側を中心に、花にかからないよう注意して行ってください。
胡蝶蘭を育てる上で最も多い失敗例が、「水のやり過ぎ」です。胡蝶蘭の根は野生ではむき出しのため、本来風通しのよいところを好みます。それが鉢植えになり、土の中に埋められていることで、苦しい状態にあるのです。そのうえ、土がいつも湿っていたら、胡蝶蘭は窒息してしまいます。一般的な鉢植えの花と違い、胡蝶蘭の根は多湿を嫌います。水をやりすぎると根が腐ってしまい、胡蝶蘭は枯れてしまいます。根や土が乾燥しているな、と思ったら2、3日は待ち、コップ1杯程度の水を根元のほうにゆっくりと与えてください。水受けに水が残った場合、それは捨ててしまってください。 一度水をあげたら、1週間〜10日程度は間をあけてください。そのくらい、胡蝶蘭の根は湿気に弱いのです。
胡蝶蘭はもともと栄養分の少ない木の上で育つ花なので、肥料などは必要ありません。温度、湿度、水やり、日光に気をつければあまり気にしてやる必要はありません。通常の鉢植えのように、毎日水やりをしたり、よく日光に当てたりすると胡蝶蘭は枯れてしまいます。 積極的にマメに世話をする人よりもズボラな人の方が胡蝶蘭を咲かせるのには適しているのかもしれません。