2011年東日本大震災をきっかけに、もともと葛尾村で畜産や農家を営んでいた3農家の有志が集まって始まりました。
当時復興事業は県内含め東北全体で多くの予算が付き、それに伴って多くの事業が立ち上がりました。復興復旧建築事業、津波対策事業や地域特栽品拡販事業、再生可能エネルギー事業や、野菜工場など日本全体が復興に向けて大きく前進しました。私たちの葛尾村でも試行錯誤の末、将来の名産品として日本一の胡蝶蘭生産地をという思いでこの事業に取り組んでいます。
当時胡蝶蘭の栽培は東北地方では行われていませんでした。以前新潟県で行われたということを聞きましたが、胡蝶蘭は年間を通して室温を一定に保つ必要があり、冬になるとマイナス温度になる地域では、燃料代がかさむという理由で、広がることはなかったと聞いております。
ここ葛尾村でも冬はマイナス5度程度まで気温が下がります。同じ理屈であれば葛尾村での胡蝶蘭の栽培は失敗に終わってしまいます。
そこでこの燃料代については、エコキュート式ヒートポンプと灯油を上手に使い分け、また電気代を最大限安くするために太陽光発電システムを活用することとしました。
また私たちにはある考えというか、思いがありました。葛尾村の野菜はとんでもなく美味しいこと。
葛尾村に限らずよくテレビ番組で、「どうしてここの野菜はこんなに美味しいの?」と聞かれた農家さんは、「この地域は朝と昼の温度差が大きいからね」と答えています。
ハウス栽培で温度は一定に保たれていますが、太陽の光の量や、土の違い、肥料の違い、水の違い、湿度の違いなど理由は沢山あると思いますが、ただはっきり言えることは、葛尾村の野菜はとんでもなく美味しいことです。であるならば、花を育てたら当然にどこよりも綺麗な花が咲くと思って疑いませんでした。当然ながら事業としてやっていくわけですから、花の中でも年間を通して安定した価格であることや高級品であることモチベーションとしては将来日本一を目指せることなど色々な思いを集約させたのが葛尾村の胡蝶蘭なのです。
葛尾村は阿武隈高地にある狭い土地の中で、葉タバコの生産や畜産を中心にした山村です。
胡蝶蘭の生産地としたこの地も、以前は葉タバコの乾燥設備として、多数のハウスが建てられていました。
この地を活用し、新たに胡蝶蘭の生産拠点としてスタートしました。
太陽光発電、蓄電池の設備を持ち福島県が掲げる、再エネ100%を目指して生産活動に励んでいます。
それはそれは複雑な思いから、葛尾村の復興を目指し日々努力し、この胡蝶蘭の栽培を行っておりますが、結果野菜の美味しさの通り、胡蝶蘭もきれいに育ったのでしょうか?
下記の写真をご覧ください。皆さんはどちらの胡蝶蘭を贈りたいですか?または贈ってもらいたいですか?
これを見た皆さんは、この葛尾村の胡蝶蘭栽培はどうなったかお判りいただけると思います。
これだけ大きな花を咲かせていられるのは、ここ葛尾村の豊かな自然環境と日本一の胡蝶蘭生産地にするんだという熱い思いがそうさせているものと思っています。
私たちは生産者として日本全国の市場に卸していますので、実はあのお店の最高級品は葛尾村の胡蝶蘭ホープホワイトだとか、立派な胡蝶蘭だと思ったらホープホワイトのタグが付いていたなど、多くのお褒めの言葉を頂戴しております。